日東防疫 広島|イタチ、コウモリ、ムカデ、ハト、ネズミ対策や害虫駆除

空き家の天井裏をのぞき込むアライグマ…

令和8年10月9日金曜日、ブログ担当の平盛です。
今回のブログは近年急増しているアライグマの侵入による被害現場。

空き家の天井裏に、野生のアライグマが住み着いていたら――。

長期間、人が住んでいない住宅では、天井裏や屋根の上で動物が活動していても、なかなか気づけないことがあります。

今回の現場は、広島県の山間部にある日本家屋です。

しばらく空き家になっていたため、建物内で何が起きているのか、すぐには分からない状態でした。

そこで天井裏に監視カメラを設置して状況を確認したところ、カメラのすぐ近くまで顔を寄せていたのは、アライグマでした。

屋根の上を調べると、さらに足跡や糞などの痕跡も確認されました。

建物の中だけでなく、屋根まわりも利用されていたことがうかがえます。

アライグマは見た目のかわいらしさとは違い、野生動物としての警戒心や力強さを持っています。また、住宅に侵入すれば、糞尿による汚染や建材への被害につながることもあります。

今回は、実際の現場写真を交えながら、空き家にアライグマが侵入する危険性、病原体や感染症のリスク、侵入を防ぐために必要な対策について紹介します。

 

天井裏に監視カメラを設置。そこに映っていたのはアライグマだった

長期間、人が住んでいない住宅では、毎日の生活音や人の出入りがありません。

そのため、天井裏で動物が動いていても、住んでいる人がいる住宅と比べて異変を発見しにくくなります。

今回の現場でも、目視できる範囲だけでは動物の正体や活動状況を把握できませんでした。

そこで、天井裏に監視カメラを設置し、実際にどのような動物が入り込んでいるのかを確認することにしました。

その結果、カメラの方向をのぞき込むアライグマの姿が記録されました。

【写真①】監視カメラが捉えた天井裏のアライグマ

広島県の山間部にある空き家の天井裏に設置した監視カメラが捉えたアライグマ。長期間人が住んでいない日本家屋に野生動物が侵入していた実例です。

この写真で注目したいのは、アライグマが天井裏のかなり近い場所まで入り込んでいることです。

外から見ただけでは、動物が住み着いているかどうかは分かりません。しかし、監視カメラを使うことで、人が直接入りにくい場所での動きを確認できます。

空き家の天井裏から物音がする、断熱材が荒れている、獣のような臭いがする場合には、アライグマなどの害獣が侵入している可能性も考える必要があります。

 

屋根の上にも残されていたアライグマの足跡と糞

天井裏の映像を確認した後、屋根まわりも調査しました。

すると、屋根の上にもアライグマが活動していたと思われる痕跡が確認されました。

足跡や糞は、動物が通った場所や活動範囲を探るための手掛かりになります。

アライグマの対策では、建物の中だけを確認しても十分ではありません。

屋根の上を移動し、軒先や屋根の隙間などを利用して建物内部に侵入している可能性があるためです。

【写真②】屋根の上に残されていた動物の痕跡

写真挿入位置:屋根上の足跡・糞が確認できる写真

写真キャプション:

広島県の山間部にある日本家屋の屋根上で確認されたアライグマのものと考えられる足跡・糞の痕跡。天井裏の監視カメラ映像と屋根上の痕跡を合わせ、侵入状況を調べました。

屋根の上にこうした痕跡が見つかった場合は、屋根の隙間、軒先、破損箇所などを確認することが重要です。

ただし、足跡や糞だけで動物の種類や侵入経路を確実に特定できるとは限りません。カメラの映像や建物の構造など、複数の情報を組み合わせて判断する必要があります。

 

アライグマは、なぜ空き家に侵入するのか

アライグマは北米原産の外来哺乳類で、日本では野生化した個体が全国各地に分布しています。広島県内でも生息が確認されており、農作物や生態系、生活環境への被害が問題になっています。アライグマは「特定外来生物」に指定されています。

日本家屋には、屋根や軒先、壁と屋根の接合部など、建物の構造によってさまざまな隙間があります。

そうした箇所に侵入可能な開口部があれば、屋根裏などが動物の隠れ場所として利用される場合があります。

特に空き家では、人による日常的な点検が行われていないこともあり、侵入や被害の発見が遅れる可能性があります。

アライグマは力が強く、爪も発達しています。そのため、隙間に詰め物を押し込んだだけの簡易的な対策では、動かされたり壊されたりする可能性があります。

侵入口を見つけることと、その場所から再び侵入できないように施工することは、別の問題です。

建物の状態や侵入経路に合わせて、十分な強度のある材料を選び、適切に固定することが重要になります。

 

放置できない理由① 糞尿による住宅の衛生環境の悪化

アライグマが天井裏などに侵入すると、糞尿が建物内に残されることがあります。

空き家の場合、人が毎日確認する機会が少ないため、汚染が進んでいても発見が遅れやすくなります。

糞尿が長期間残ると、悪臭や汚れの原因になります。また、排泄物や周辺の環境が害虫の発生に関係する場合もあります。

問題は、目に見える糞だけではありません。

断熱材や木材などに汚れが付着している場合、表面的な清掃だけでは十分に対応できないことがあります。

また、乾燥した糞を掃き集めたり、強い勢いで取り除いたりすると、汚染物質を含むほこりが舞い上がるおそれがあります。

アライグマの糞尿を見つけても、素手で触ったり、乾いたまま掃いたり、家庭用掃除機でそのまま吸い込んだりすることは避けてください。

人やペットが近づかないようにし、汚染の範囲や状態に応じて適切な処理を検討することが大切です。

 

放置できない理由② アライグマが関係する感染症・病原体のリスク

アライグマなどの野生動物には、病原体や寄生虫、外部寄生虫が関係することがあります。

ただし、すべてのアライグマが特定の病原体を保有しているわけではありません。 今回の写真だけから、どの病原体が存在するかを判断することもできません。

リスクを正しく理解するため、代表的なものを紹介します。

アライグマ回虫症

アライグマ回虫は、北米のアライグマで知られる寄生虫です。感染性を持つ虫卵を口から取り込むと、幼虫が体内を移動し、脳や眼などに障害を起こすことがあります。海外では重篤な症例が報告されています。

国立感染症研究所

日本については、国立感染症研究所の解説で、過去の情報として野生化したアライグマからの寄生例や人への感染事例は確認されていないと説明されています。このため、日本の野生アライグマからの感染を当然のこととして扱うべきではありませんが、糞便を直接触らないなどの衛生対策は必要です。

特に、子どもが糞の付着した土や物を口にしないようにすることが大切です。

レプトスピラ症

レプトスピラ症は、病原性レプトスピラに汚染された水や土壌などとの接触によって感染することがある人獣共通感染症です。感染すると発熱や筋肉痛などが現れ、重症化すると腎障害や黄疸などを起こすことがあります。保菌動物の尿が感染源となります。

国立感染症研究所

これは特定のアライグマが感染していると決めつけるものではありません。野生動物の尿などによる環境汚染を避けるという観点からも、糞尿の処理には注意が必要です。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とマダニ

SFTSは、主にウイルスを保有するマダニに刺されることで感染する病気です。

国立環境研究所などの研究では、野生化したアライグマがSFTSウイルスを保有するマダニを住宅地や都市部へ持ち込む可能性が示唆されています。

国立環境研究所

つまり、ここで重要なのは、アライグマそのものから直接SFTSに感染すると断定することではなく、野生動物に付着したマダニが生活圏に入り込む可能性にも注意することです。

狂犬病・日本脳炎についての注意

狂犬病は、海外ではアライグマなどの哺乳類が感染源となる場合があります。しかし、厚生労働省によると、日本国内では1957年の動物の発生以降、国内での発生は確認されていません。今回のような国内の野生アライグマの事例で、狂犬病の感染リスクがあると断定するのは適切ではありません。

厚生労働省

また、日本脳炎は主にウイルスを保有する蚊に刺されることで感染します。アライグマが直接日本脳炎を媒介するといった説明は正確ではありません。

厚生労働省

このように、野生動物に関連する感染症は、感染経路を正確に区別して考えることが重要です。

 

放置できない理由③ 建物の破損と再侵入

アライグマは力の強い動物です。

侵入経路にある建材や簡易的な塞ぎ材を動かし、侵入しやすい状態を作ることがあります。

空き家で長期間活動していれば、糞尿による汚染だけでなく、断熱材の乱れや建物内部の汚れなど、さまざまな問題につながる可能性があります。

そこで重要になるのが、侵入経路を調べたうえで、動物の力を考慮した侵入防止工事を行うことです。

見える隙間を適当に埋めるだけでは、十分な対策にならないことがあります。

 

アライグマの侵入防止で重要なのは、強度と固定方法

今回の現場では、監視カメラの映像だけでなく、屋根上の足跡や糞も手掛かりになりました。

こうした情報をもとに、建物のどの部分を通っているのか、どこから侵入できるのかを確認していきます。

侵入防止の基本は、次のような流れです。

  1. 生息状況の確認:監視カメラや痕跡などを確認し、動物の活動状況を把握する。

  2. 建物全体の調査:屋根、軒先、外壁、通気部分などを調べ、侵入可能な箇所を探す。

  3. 適切な防除:法令や地域の手続きに沿って、必要な対応を行う。

  4. 侵入口の封鎖:強度のある材料を選び、動物が押したり引いたりしても簡単に外れないよう固定する。

  5. 汚染箇所の衛生対策:糞尿や荒らされた部分を確認し、状態に応じた処理を行う。

アライグマは特定外来生物に指定されており、飼育や運搬などには規制があります。捕獲や防除についても、実施方法や場所に応じた法令・手続きの確認が必要です。広島県も、アライグマに近づきすぎないことや、捕獲には法令上の手続きが関係することを案内しています。

 

空き家のアライグマ被害は、発見が遅れることが問題

今回のように長期間人が住んでいない住宅では、動物が入り込んでいても、その事実を知らないまま時間が経ってしまうことがあります。

そして、久しぶりに建物を確認した際に、

「天井裏から音がする」

「獣のような臭いがする」

「断熱材が荒れている」

「屋根に足跡や糞がある」

といった異変を見つけることがあります。

空き家の管理では、外観だけではなく、屋根や天井裏など普段目にしない場所にも注意を払う必要があります。

特に、遠方に住んでいる方や高齢の所有者など、頻繁に建物を確認できない事情がある場合は、工務店や建物管理者などが点検時に動物の痕跡を見つけることもあります。

その際、建材の補修だけで終わらせず、侵入している動物の種類と侵入経路を確認してから修繕方法を考えることが、再発防止につながります。

 

今回の現場を通して感じたこと

今回の広島県の日本家屋では、長期間空き家だったため、動物の侵入に気づく機会がありませんでした。

天井裏に監視カメラを設置したことで、アライグマの存在が確認できました。

そして屋根上を調べると、足跡や糞などの痕跡も見つかりました。

このような場合、目に見える部分だけを塞いでも、別の場所から再び侵入される可能性があります。

だからこそ、建物全体を調査し、どのような動物がどこを利用しているのかを把握したうえで、強固な侵入防止対策を考えることが大切です。

また、野生動物の糞尿には病原体や寄生虫などが関係する可能性があるため、安易に素手で触ったり、乾いた状態で掃き集めたりするのは避けるべきです。

「動物がいなくなれば終わり」ではなく、「再び入らない状態にすること」と「汚染された環境を適切に処理すること」まで考える。

今回のような空き家の害獣被害では、この考え方が重要だと感じました。

 

広島県でアライグマの侵入・空き家の害獣被害にお困りの方へ

天井裏の足音、屋根に残された糞、断熱材の乱れ、獣のような臭い。

こうした異変がある場合、アライグマなどの野生動物が建物に侵入している可能性があります。

特に、長期間空き家になっている日本家屋では、人の目が届かない場所で被害が進んでいることもあります。

気になる痕跡を見つけた場合には、無理に屋根へ上がったり、動物に近づいたりせず、安全を確保したうえで状況を確認してください。

広島営業所|害虫・害獣対策

本社ホームページ

害獣の侵入防止や消毒、害虫の駆除に気持ちで取り組んでいます

Return Top