令和8年9月18日金曜日、ブログ担当の平盛です。
秋のお彼岸が近づくと、お寺では普段より人の出入りが増え、本堂を使う機会も多くなります。
そんな大切な場所で、
「お経を唱えている最中に、天井裏からドタドタ音がする」
「夜になると天井裏を何かが走り回っている」
「本堂の中まで動物の臭いがする」
となれば、なかなか落ち着いて過ごすことはできません。
今回確認したのは、広島県内の寺院の本堂です。
最初に聞いた話では、天井裏からの足音や物音が気になるということでした。
ところが、実際に天井裏へ入ってみると、単なる「音」の問題ではありませんでした。
そこにあったのは、長期間にわたって蓄積したイタチ・テンと思われる動物の糞尿、荒らされた断熱材、そして強い臭い。
写真で見ても分かるほど、かなり進行した状態でした。
2026年の秋分の日は9月23日で、ちょうどお彼岸の時期です。こうした時期に本堂を使う機会が増えるからこそ、普段は気づかなかった天井裏の異変が気になることもあります。
まず驚いたのは、本堂の天井裏に広がっていた糞尿
本堂というと、一般住宅よりも天井が高かったり、構造が複雑だったりする建物も少なくありません。
今回も、普段の生活では人が入ることのない天井裏を確認すると、断熱材の上に黒っぽい糞が大量に残されていました。
さらに、断熱材の一部は荒らされ、動物が移動したと思われる跡も確認できます。
一日や二日でこうなるわけではありません。
長い期間、イタチやテンなどの動物が出入りを繰り返していたことが考えられる状態でした。
【写真①】本堂天井裏に堆積した糞尿
写真キャプション:
寺院の本堂天井裏で確認された大量のイタチ・テン類の糞尿。断熱材の周辺にも排泄物が広がり、長期間にわたって動物が侵入していた状況が確認された。

写真を見るだけでも、天井裏の環境がかなり悪化していることが分かります。
こうした排泄物をそのままにしておくと、臭いの問題だけでなく、衛生面でも注意が必要になります。
厚生労働省も、動物の糞尿について、乾燥した排泄物に含まれる病原体が空気中に漂い、吸い込みやすくなる可能性があるため、直接触れたり吸い込んだりしないよう注意し、速やかに処理するよう案内しています。
もちろん、実際にどのようなリスクがあるかは動物の種類や汚染状況によって異なりますが、「天井裏だから見えないし、そのままで大丈夫」とは言い切れない場所です。
「臭い」は、かなり重要なサイン
今回の現場では、糞尿だけでなく悪臭も問題になっていました。
イタチやテンなどが長期間建物内に入り込むと、排泄物が同じような場所に集中して残ることがあります。
最初は、
「何となく獣臭い」
程度だったものが、時間が経つにつれて、
「本堂に入ると臭う」
「天井付近から臭いがする」
「換気しても臭いが残る」
という状態になることがあります。
そして、こうした臭いが発生すると、次に気になってくるのが害虫です。
排泄物や汚れが長期間残っている場所は、衛生環境の悪化だけでなく、ハエ類やゴキブリなど、別の害虫問題につながることがあります。
つまり、
イタチ・テンの侵入
↓
糞尿が堆積
↓
悪臭が発生
↓
衛生環境が悪化
↓
害虫の発生
という二次被害につながる可能性があります。
お経の途中に聞こえる「ドタドタ」「カサカサ」
今回、お話を伺っていて印象に残ったのが、
「本堂でお経を唱えている時にも足音がする」
ということでした。
静かな本堂だからこそ、天井裏の小さな物音でも非常によく響きます。
「カサカサ」
「ガサガサ」
「ドタドタ」
といった音が天井の上から聞こえれば、どうしても気になります。
夜間であればなおさらです。
住宅なら「眠れない」という被害になりますが、寺院の場合は、
読経中に集中できない
法要中に気になる
参拝者が音を気にする
本堂に入ること自体が不安になる
という、住宅とは違った問題に発展します。
建物を大切に使い続けるためにも、「音がするだけだから」と長期間放置しないことが大切です。
【写真②】本堂天井裏への点検口と内部調査
写真キャプション:
寺院の本堂天井裏を確認するための点検状況。イタチ・テンなどの侵入被害では、目視できる範囲だけでなく天井裏内部の糞尿、断熱材、侵入痕跡まで確認することが重要。




今回のような現場では、建物の外側だけを見て終わりにはできません。
本堂の屋根。
軒。
外壁。
換気部分。
床下。
天井裏。
こうした場所を順番に確認し、どこから入り、どのように建物内部を移動しているのかを考える必要があります。
イタチ・テン対策で一番難しいのは「侵入口探し」
現場で何度も感じるのが、「人間が見る場所」と「動物が使う場所」は違うということです。
人が立って見える範囲だけ確認すると、
「穴はない」
「隙間は見当たらない」
となります。
ところが、視点を変えて建物を見ると、屋根と外壁の取り合い、軒部分、通気口、床下などに、動物が利用できる隙間が見つかることがあります。
イタチやテンなどの害獣対策では、一つの穴だけを塞げば終了、というわけではありません。
一か所封鎖しても、別の場所に侵入口があれば再び入り込む可能性があります。
だからこそ、
「穴を塞ぐ工事」より先に「穴を探す調査」が重要
になります。
工務店・建築業者の方にも知っておいてほしいこと
寺院や古い日本家屋では、改修工事、屋根工事、雨漏り修繕、断熱改修などの際に、初めて天井裏の異変が見つかることがあります。
そのとき、
「断熱材が荒れている」
「糞が大量にある」
「獣臭がする」
「天井裏で動物の気配がある」
という状態なら、補修だけを先に進めるのではなく、何が侵入しているのか、どこから入っているのかを確認することが重要です。
工務店・リフォーム業者が建物を直す一方で、害獣側の原因調査や防除が必要になるケースがあります。
特に、先に侵入口を塞いでしまうと、建物内部に動物が残っているケースでは別の問題につながる可能性があります。
そのため、寺院の改修や修繕に関わる工務店の方から、
「天井裏に動物の痕跡がある」
「断熱材が荒らされている」
「獣臭がする」
「糞尿が大量にある」
といった相談につながることがあります。
これは住宅だけではなく、寺院・神社・古民家・倉庫などでも同じです。
本堂のイタチ・テン被害は「清掃だけ」では終わらない
糞尿を見つけると、
「まず掃除すればいいのでは?」
と考える方もいます。
もちろん、汚染された場所の清掃や衛生対策は重要です。
しかし、それだけでは根本的な解決になりません。
なぜなら、
掃除する
↓
また侵入する
↓
また糞尿が溜まる
という繰り返しになってしまうからです。
必要なのは、
侵入状況の確認
↓
生息状況の確認
↓
防除・必要な対応
↓
侵入口の対策
↓
糞尿による汚染部分の清掃・衛生対策
という順番で考えることです。
また、野生鳥獣の捕獲については原則禁止されており、被害防止目的などで捕獲を行う場合も許可制度が関係します。寺社境内などでの捕獲には安全や施設の目的への配慮も求められます。実際の対応では、対象となる動物や地域のルールを確認する必要があります。
「本堂から音がする」だけでも調べる価値がある
今回のような現場では、最初から大量の糞尿が見つかるとは限りません。
最初は、
「夜になると音がする」
だけだったかもしれません。
そこから、
「最近、少し臭う」
「天井裏を見ると断熱材が荒れている」
「糞がある」
と症状が増えていくことがあります。
特に寺院や古い建物は、一般住宅以上に普段人が入らない場所が多く、異変に気づきにくいことがあります。
だからこそ、
音・臭い・糞尿・断熱材の乱れ
このどれか一つでも気になったら、天井裏まで確認することが大切です。
今回の現場を終えて
本堂は、一般住宅とは違います。
そこで過ごす人にとって、単なる「建物の一部」ではありません。
読経をする場所であり、法要を行う場所であり、参拝する方が静かに過ごす場所でもあります。
その本堂の天井から、
カリカリ……
カサカサ……
ドタドタ……
と音が聞こえてくれば、気にならない方が難しいと思います。
そして、天井裏を開けて初めて分かる大量の糞尿。
今回の写真も、実際に確認した天井裏の状態です。
普段目にすることのない場所だからこそ、被害が進んでいても気づきにくい。
それがイタチ・テンによる建物侵入被害の怖いところだと、改めて感じた現場でした。
寺院・本堂でこんな異変があれば
天井裏から足音がする
夜になるとドタドタ走り回る
本堂に獣のような臭いがする
天井裏に糞尿がある
断熱材が荒らされている
害虫が以前より増えた
このような症状が複数ある場合、単なる建物の老朽化ではなく、イタチやテンなどの害獣が侵入している可能性があります。
特に寺院・神社・古民家など、構造が複雑で屋根裏が広い建物では、人の目線だけで侵入口を探すのが難しいケースがあります。
広島県内で、寺院・本堂・古民家などの天井裏に動物の気配や糞尿被害が見られる場合は、まず現在の状況を確認することが、被害を広げないための第一歩になります。
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