令和8年9月4日金曜日、ブログ担当の平盛です。
今回は今活発に活動しているアブラコウモリの被害対策について。
1. 調査|「発泡ウレタンで塞いだはずなのに」再び被害が拡大
現地に伺うと、天井裏にはすでに大工さんの手による補修跡がありました。
※梁の隙間に充填された発泡ウレタン。見た目にはしっかり塞がれているように見えます。
一見すると隙間はふさがれているように見えますが、これはコウモリの被害では非常によくある「対策したのに再発する」パターンです。
理由は明確で、アブラコウモリは体が非常に薄く、1〜2cm程度のわずかな隙間があれば出入りが可能だからです。目に見える大きな隙間だけを塞いでも、瓦の重なり部分や、外壁と屋根の取り合い部分など、見落としやすい小さな隙間がそのまま残っていれば、そこから出入りを続けてしまいます。
今回も、室内側の対策だけでは不十分で、外部にも複数の侵入口が残っている状態でした。
2. 被害状況|屋根瓦に堆積した大量の糞、悪臭、害虫の発生
外周・屋根まわりを確認すると、被害の深刻さがはっきりと分かりました。
※軒先の部材の隙間に堆積した大量の糞。黒い粒状のものがコウモリの糞です。
※屋根瓦の表面にまで広がった糞の堆積。範囲は一箇所にとどまらず、複数の瓦にわたっていました。
※瓦の重なり部分の隙間にびっしりと溜まった糞。この隙間そのものが、日常的に使われている出入口になっていました。
アブラコウモリは同じ場所をねぐらとして繰り返し利用する習性があるため、被害が長期化するほど、糞は同じ場所に厚く積み重なっていきます。今回のように屋根瓦の上にまで糞が広がっている状態は、すでにかなりの数のコウモリが定着し、出入りを繰り返していることを示しています。
堆積した糞は、
- 強いアンモニア臭・獣臭
- 雨で流れた際の外壁の汚れ・シミ
- ダニ・チャタテムシなど害虫の発生源
- 乾燥した糞のホコリを吸い込むことによる健康リスク
といった問題につながります。実際、現場でも悪臭がはっきりと感じられ、糞に付随する害虫の発生も確認されました。
3. 対策|侵入口をすべて塞ぎ、消毒で仕上げる
コウモリは鳥獣保護管理法により捕獲や殺傷が禁止されている動物です。そのため対策の基本は「駆除」ではなく、**すべての侵入口を特定して塞ぐ「侵入防止」**になります。
① 塞ぐ(侵入口の完全封鎖)
過去の発泡ウレタン処置で見落とされていた隙間も含め、屋根まわり・外壁の取り合い部分など、コウモリが出入りできるすべての隙間を一つずつ特定し、専用のコーキング材でしっかりと封鎖していきます。
※部材のわずかな隙間にコーキング材を充填している様子。角の取り合い部分も丁寧に処理します。
※部材同士の継ぎ目に沿って、隙間なく施工。1〜2cmの隙間も見逃さないことが再発防止の鍵です。
見た目では気づきにくい小さな隙間でも、コウモリにとっては十分な出入口になります。「大きい隙間だけ塞ぐ」のではなく、すべての侵入経路を面で塞ぎきることが、今回のような再発ケースを防ぐ最大のポイントです。
② 消毒(薬剤噴霧による殺菌・消臭処理)
侵入口をすべて封鎖した後、天井裏に残った糞尿による汚染に対して、薬剤を噴霧して殺菌・消臭処理を行います。
※天井裏全体に薬剤を噴霧している様子。糞が堆積していた範囲を中心に、広く行き渡らせます。
※噴霧後、天井裏全体に薬剤が行き渡っている状態。この処理により、糞尿に付着した雑菌やダニなどの害虫にもアプローチします。
糞尿を放置したまま塞いでしまうと、内部にニオイや衛生リスクが残り続けてしまいます。侵入防止と消毒処理はセットで行うことで、初めて根本的な解決になります。
4. 完了|侵入口ゼロ・臭いの原因も処理済み
すべての侵入口の封鎖と、天井裏の消毒処理が完了しました。これにより、
- 新たな侵入経路がない状態
- 糞尿による悪臭・衛生リスクへの対処済み
という状態まで仕上げています。今後は定期的な点検を通じて、封鎖箇所の状態や新たな被害の兆候がないかを継続的に確認していくことをおすすめしています。
5. お客様の感想
「以前業者さんに隙間を埋めてもらっても改善しなかったので、正直また同じことの繰り返しになるんじゃないかと不安でした。今回、屋根の細かい隙間までしっかり見てもらって、ようやく安心して過ごせるようになりました。近くを通ることがあれば、気軽に立ち寄ってほしいです。」
一度対策をしても再発してしまうのは、「見えている隙間」しか塞げていないケースがほとんどです。今回のように屋根まわりまで含めて徹底的に調査・封鎖することで、初めて根本的な解決につながります。
まとめ|「対策したのに再発する」のは隙間の塞ぎ残しが原因
- 1〜2cmのわずかな隙間からでも侵入できる
- 一度の補修では見落としが起きやすい
- 屋根瓦の上まで糞が広がることもある
- 捕獲ではなく「侵入防止」が対策の基本
という特徴があります。過去に対策済みでも被害が続いている場合は、専門的な目線で再度確認が必要な対象生物です!


























